ストレスチェック報告書「様式6号の2」の記入例と書き方
ストレスチェックを実施したら、最後に待っているのが労働基準監督署への報告——正式名称「心理的な負担の程度を把握するための検査結果等報告書」、通称様式6号の2です。年に1回しか書かない書類なので、毎年「どう書くんだっけ」と手が止まりがち。この記事では、記入済みの見本画像と項目別の書き方、提出方法、よくある記入ミスを、実務目線でまとめます。急いでいる方は記入例(見本画像)へどうぞ。
様式6号の2とは——誰が・いつ・どこに出す
| 正式名称 | 心理的な負担の程度を把握するための検査結果等報告書(労働安全衛生規則 様式第6号の2) |
|---|---|
| 提出義務がある事業場 | 常時50人以上の労働者を使用する事業場(事業場単位で判断) |
| 提出先 | 事業場の所在地を管轄する労働基準監督署 |
| 提出時期 | ストレスチェック(1年以内ごとに1回)の実施後、遅滞なく |
| 提出方法 | 電子申請(e-Gov)が原則。困難な場合は当分の間、書面も可(後述) |
ポイントは、これが「ストレスチェックの結果そのもの」ではなく、実施状況の集計報告だということです。個人の検査結果や点数を書く欄はありません。安心して人事・総務の担当者が作成できます(産業医の記名は必要です)。
様式の入手方法
様式は厚生労働省のWebサイトからダウンロードできます。「様式6号の2 ダウンロード 厚生労働省」で検索するか、厚労省の「ストレスチェック制度」のページから入手してください。電子申請の場合は e-Gov 上で直接入力するため、紙の様式は不要です。
項目別の書き方
つまずきやすい項目を中心に、書き方を整理します。
| 項目 | 書き方のポイント |
|---|---|
| 対象年 | 報告の対象となる期間(年度)を記入します。 |
| 検査実施年月 | 実施した年月。部署ごと等、複数回に分けて実施した場合は最後の実施年月を記入します。 |
| 事業の種類 | 日本標準産業分類の中分類で記入します(例: 「情報サービス業」「食料品製造業」)。 |
| 事業場の名称・所在地 | 会社全体ではなく報告する事業場のもの。支店・工場ごとに提出する場合は各事業場の情報です。 |
| 在籍労働者数 | ストレスチェックの実施義務の対象となっている労働者の数です。単純な在籍人数ではありません。パート・派遣・休職者の扱いは次のセクションで詳しく整理します。 |
| 検査を受けた労働者数 | 実際に受検した人数。対象者数ではありません。 |
| 検査の実施者 | ①事業場選任の産業医 ②事業場所属の医師・保健師等(①以外) ③外部委託先の医師・保健師等——のいずれか該当する区分を選びます。外部のストレスチェックサービスを使った場合は③が一般的です。 |
| 面接指導を受けた労働者数 | 高ストレス者のうち、本人の申出により実際に医師の面接指導を受けた人数。高ストレス判定者の総数ではありません。 |
| 集団ごとの分析の実施の有無 | 集団分析(部署別の傾向分析)を実施したかどうか。現行では努力義務のため「実施していない」でも報告上の問題はありません。 |
| 産業医の氏名 | 産業医の記名が必要です。押印は不要(押印欄は廃止されています)。 |
「在籍労働者数」に誰を含めるか
報告書でもっとも判断に迷うのがこの欄です。まず押さえたいのは、「50人以上かどうかの判定」と「報告書に書く在籍労働者数」は別物だということ。同じだと思い込むと人数がずれます。
| 対象 | 50人以上かの判定 (実施義務の有無) | 報告書の 「在籍労働者数」 |
|---|---|---|
| 週の所定労働時間が短いパート・アルバイト (通常の労働者の4分の3未満) | 含める | 含めない |
| 派遣先で受け入れている派遣労働者 | 含める | 含めない |
事業場の規模(50人以上か)を数えるときは、日雇いや短時間のパートも含めて「常態として使用している人数」で判断します(詳しくは「常時50人以上」の数え方)。派遣労働者については、派遣先・派遣元の双方が、それぞれ自らの事業場の人数に含めて算出します。一方、報告書の「在籍労働者数」に書くのは、ストレスチェックの実施義務の対象となっている人だけです。
含めるのは、2つの要件を満たす人
一般の定期健康診断の対象者と同じ考え方です。次の両方を満たす人を数えます。
- 契約期間の要件 — 期間の定めのない労働契約により使用される者。有期契約でも、契約期間が1年以上の者、契約更新により1年以上使用される予定の者、すでに1年以上引き続き使用されている者は含みます。
- 労働時間の要件 — 1週間の労働時間数が、その事業場で同種の業務に従事する通常の労働者の1週間の所定労働時間数の4分の3以上であること。
雇用形態別の早見表
| 雇用形態 | 在籍労働者数に含めるか |
|---|---|
| 正社員 | 含める |
| パート・アルバイト | 上記2要件を満たせば含める。満たさなければ含めない |
| 契約社員 | 同上。契約が1年以上(更新見込みを含む)で、週の労働時間が4分の3以上なら含める |
| 派遣社員(派遣先の立場) | 含めない。実施義務は雇用主である派遣元にあります |
| 派遣社員(派遣元の立場) | 含める。自社が雇用主のため、派遣先がどこであっても自社で報告します |
| 請負・業務委託の作業者 | 含めないのが原則です。雇用関係がなく、雇用主である請負会社側で扱われます |
育児・介護休業中、病気休職中の人は?
休職中でも雇用契約は継続しているため、上記2つの要件を満たすのであれば、在籍労働者数には含めるのが原則です。
ただし、「在籍労働者数に数えること」と「ストレスチェックを実施すること」は別です。厚生労働省のQ&Aでは、長期の病休者などストレスチェックの実施が困難な人については、実施しなくても差し支えないとされています。つまり在籍労働者数には入るが、受検した労働者数には入らないという状態が起こり得ます。ここは矛盾ではありません。
長期休職者を在籍労働者数に含めるかどうかは、所轄の労働基準監督署によって説明が異なる場合があります。休職者が多く、人数が報告内容に影響する場合は、提出前に所轄署へ確認しておくと確実です。
記入例——見本画像と、実際の書き方
実際に記入するとどうなるかを、具体例で見ていきます。以下は「従業員120人の情報サービス業の会社が、2026年11月に外部委託でストレスチェックを実施し、集団分析も行った」というケースの記入見本です。まず全体像を画像で確認してから、下の表で項目ごとの理由を見てください。
| 項目 | 記入例 | ひとこと |
|---|---|---|
| 労働保険番号 | 13 1 01 123456 000 | 労働保険の年度更新申告書で確認できます |
| 対象年 | 令和8年(2026年) | 実施した年度 |
| 検査実施年月 | 令和8年11月 | 複数回に分けたときは最後の実施月 |
| 事業の種類 | 情報サービス業 | 日本標準産業分類の中分類 |
| 事業場の名称 | 株式会社グッドデイ 本社 | 会社全体ではなく事業場ごと |
| 事業場の所在地 | 東京都千代田区〇〇1-2-3 03-1234-5678 | 電話番号もあわせて記入します |
| 在籍労働者数 | 120人 | 実施義務の対象者の数。誰を含めるかはこちら |
| 検査を実施した者 | 3(外部委託先の医師・保健師等) | 外部のサービスを利用した場合はこの区分 |
| 検査を受けた労働者数 | 98人 | 対象者数ではなく実際に受検した人数 |
| 面接指導を実施した医師 | 1(事業場選任の産業医) | 産業医以外の医師が行った場合は該当区分を選択 |
| 面接指導を受けた労働者数 | 3人 | 高ストレス者の総数ではなく、申出があって実施した人数 |
| 集団ごとの分析の実施の有無 | 1(実施した) | 現行では努力義務 |
| 産業医の氏名 | 山田 太郎 | 押印は不要(押印欄は廃止されています) |
| 事業者職氏名 | 代表取締役 鈴木 一郎 |
この例では、在籍120人に対して受検98人(受検率82%)、高ストレス者のうち本人の申出があって面接指導に至ったのが3人、という想定です。高ストレス者の人数と、面接指導を受けた人数は一致しません。申出はあくまで本人の任意であり、実際には申出率が低いのが通常です。ここに高ストレス者数を書いてしまうミスが多く見られます。
上記は記入見本です。実際の様式は厚生労働省のサイトから最新版を入手し、事業場の実情に合わせて記入してください。
この表の数値(在籍労働者数・受検者数・面接指導の実施数・集団分析の有無)は、Good Day Check なら管理画面に自動で集計されます。事業場50人未満なら2028年3月末まで無料で、報告書に必要な数字集めごと手放せます。無料キャンペーンの詳細 →
提出方法——電子申請が原則に
2025年1月から、様式6号の2を含む労働安全衛生法関係の一部の報告書は、e-Gov による電子申請が原則(義務化)になりました。電子申請が困難な場合は、当分の間、書面提出も認める経過措置があります。
- e-Gov アカウントを準備 — e-Gov電子申請のアカウント(無料)でログインします。
- 手続きを検索 — 「心理的な負担の程度を把握するための検査結果等報告」で検索します。
- 入力・送信 — 画面の項目に沿って入力し、送信します。控えはPDFで保存できます。
電子申請なら、監督署へ出向く必要も郵送の手間もありません。Good Day Check をお使いの場合は、報告書に必要な数値(受検者数・面接指導実施数・集団分析の有無など)が管理画面に自動集計されるので、e-Gov に転記するだけで完了します。
よくある記入ミス 5つ
- 会社全体の人数で書いてしまう — 報告は事業場単位です。労働者数・受検者数とも、その事業場の数字を書きます。
- 面接指導の人数に高ストレス者全員を書いてしまう — 記入するのは、実際に医師の面接指導を受けた人数だけです。
- 50人未満の事業場が提出してしまう(または提出義務があると誤解する) — 報告義務は50人以上の事業場のみ。実施義務と報告義務は別物です(2028年の義務化拡大でも、50人未満への報告義務は当面課さない方向で検討されています)。
- 産業医の押印を待って提出が止まる — 押印は廃止済み。記名があれば提出できます。
- 「年度末にまとめて」と後回しにして忘れる — 期限は「遅滞なく」。実施した月のうちに出すのが安全です。
よくある質問
記入例はどこで見られますか?
パートや派遣社員は在籍労働者数に含めますか?
提出期限はいつですか?
従業員50人未満の事業場も提出が必要ですか?
電子申請は必須ですか?紙でも提出できますか?
提出しないとどうなりますか?
報告書の数字集めから、解放されませんか。
Good Day Check なら、受検者数・面接指導の実施数・集団分析の有無など、様式6号の2に必要な数値を自動で集計。
実施から報告まで、これひとつで完結。事業場50人未満なら2028年3月末まで無料でお使いいただけます。
あわせて読みたい: ストレスチェックの費用相場はいくら? / 2028年の義務化拡大で何が変わる? / 高ストレス者から面談の申出がないとき / 実施者は誰がなれる? / いつ実施する?実施時期と年間スケジュール
出典・参考: 労働安全衛生規則 様式第6号の2/厚生労働省「労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度実施マニュアル」/厚生労働省「ストレスチェック制度関係Q&A」/厚生労働省「派遣労働者に対するストレスチェック等の実施に関する考え方」/神奈川労働局「ストレスチェック実施義務対象『常時50人以上の労働者を使用する事業場』」/静岡労働局「ストレスチェックの実施義務と報告書の記入・提出について」/労働安全衛生法第120条(報告義務違反)/2025年1月施行の労働安全衛生規則等の改正(一部報告の電子申請原則化)。本記事の内容は更新日時点の情報にもとづく一般的な解説であり、個別の判断を保証するものではありません。様式・手続きの最新情報は厚生労働省・e-Govの公表内容をご確認いただき、判断に迷う場合は所轄の労働基準監督署にご確認ください。